2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Global English 19 ーbecauseとカンマの関係ー

関係代名詞whichを習う時に、制限用法と非制限用法を習う。カンマの有無で意味が変わってしまうので、関係代名詞whichを使う時はカンマの有無をちゃんと考える。実は、becauseもカンマに関してルールがある。 because節が文頭に来る時は、カンマを入れる。 […

Global English 18 ー曖昧な「ING形+名詞」ー

「ING形+名詞」という形があると、ING形が動名詞として使われているのか、それとも名詞を修飾しているのかが分からない。 [bad] CCPC is a practical tool that has been designed for certifying agencies. 【解釈1ー動名詞】CCPCは、エージェントを認証す…

Global English 18 ーsyntactic cueでand/orの範囲を明確にー

andやorといった等位接続詞は二つ以上の要素を結合するが、何と何を結合しているのかが不明な時がある。例えば、"average ages and salaries"という場合、"[average ages] and [salaries]"なのか、"average [ages] and [salaries] (= [average ages] and [av…

Global English 17 ーsyntactic cueを活かそうー

特定の単語があると、その文の文法構造が容易にわかる。例えば、"the algorithm the system uses"と書くのではなく、"the algorithm that the system uses"と書けば、文の意味がわからなくてもどこが形容詞節なのかパッと見で分かる。この関係詞のthatが文法…

Global English 16ーandの前後の修飾関係を明確に!その2ー

前回の記事(Global English 15 ー繰り返す名詞句を省略しないー - imakov’s blog)と似ているが、下図のような場合を考える。 名詞が示すものが一つしかない場合 ハイフンを使って、修飾語を複合形容詞または複合名詞にしよう。 [bad] In a divide and conq…

真空部品のガス抜き用穴の大きさについて

真空容器内に物を固定していくと、空気溜まりができ、真空が引けなくなってしまう。そこで、空気溜まりができないように物に穴をあけておく。下の図は、空気溜まりができてしまう状況を模式的に表している。 今日、ガス抜き用の穴をどれくらいの大きさにすべ…

Global English 15 ーandの前後の修飾関係を明確に!その1ー

"average ages and salaries"と書いてあった場合、averageがagesだけを修飾しているのか、salariesも修飾しているのかが不明瞭である。文意から明確であるときは当然あるが、その文書の分野に詳しくない人が読むことも想定して明瞭になるような書き方を工夫…

NASAのテクニカルライティング 13 ータイトルの大文字小文字ー

NASAラングレー編集部門の表題における大文字使用のルールは"Style Manual"(著:Government Printing Office, U.S.、1984年)に基づいており、以下に示す大文字使用の10のルールに従っている。 冠詞、前置詞あるいは副詞、接続詞には大文字を使用しない。と…

Global English 14 ー形容詞句が何を修飾しているかを明確にー

[bad] Click Overview to view short descriptions of the products that include information links. "that include information links"が、descriptionsとproductsのどちらを修飾しているのかが分からない。 [good] Click Overview to view short descript…

NASAのテクニカルライティング 12 ーthere is構文とit ... that構文は避けましょうー

NASAのテクニカルライティングのガイドラインによると、there is構文は冗長で具体的になにを指すのか曖昧なので避けるべきとのこと。 [bad] There are three distinct flow characteristics in these photographs. [good] These photographs shows three dis…

Global English 13 ー前置詞句が名詞を修飾するときは要注意ー

以下の例では、in the SPSS fileが何を修飾しているのかが分からない。直前のdataという名詞を修飾しているのであれば、関係詞を使った形容詞句にしてしまう。ただ、この場合は、of the SPSS fileとする方が簡単でよい。 [bad] The PRINT statement prints t…

NASAのテクニカルライティング 11 ー動名詞や不定詞の主語に要注意ー

以下の文はいずれも、『位置調整されていないピトー管を使うと、渦成分により全速度を正しく測定できない。』という意味ですが、動名詞usingの使い方が正しいものと間違っているものがある。『導入動名詞句や導入不定詞句の主語は、主文の主語である』ことに…

Global English 12 ー否定文は使うなー

肯定文でも否定文でもどちらでも書けるのであれば、肯定文で書きましょう。 [bad] Add a statement to the program to specify that messages not be displayed. [good] Add a statement to the program to suppress messages. 二重否定文には注意しましょう…

NASAのテクニカルライティング 10 ー等位接続詞 and, butの正しい使い方ー

等位接続詞は文法的に等位なものを結合する。 [bad] Pressures at the bulkhead, the seal, and in the cove are shown. [good] Pressure at the bulkhead, at the seal, and in the cove are shown. 修正した文では、一貫して前置詞句を結合している。 同様…

Global English 11 ーmustは使うなー

mustは「〜しなければならない」という解釈と「〜に違いない」という解釈ができる。テクニカルライティングにおいて、後者の意味でmustを使うことはほとんどないが、2通りの解釈を生む(誤解の源となる)mustを使う必要性は全くない。 [bad] If you are acc…

NASAのテクニカルライティング 09 ーパラレリズムー

[bad] Shock tests were conducted in nitrogen and oxygen. この文はパラレリズムに反しているので曖昧な文になっている。 解釈1:窒素雰囲気および酸素雰囲気で実施した。 解釈2:窒素と酸素の混合気体中で実施した。 解釈1の文にするには、パラレリズ…

Global English 10 ー不明瞭な「have+名詞+過去分詞」ー

「have + 名詞 + 過去分詞」とくると、「使役動詞の用法」なのか「過去分詞で修飾された名詞を持っている(haveしている)」のかがパッと見で分からない。この形の場合は、ちゃんと読めば意味が不明瞭であることは少ないが、たいていの場合はもっとシンプル…

NASAのテクニカルライティング 08 ー分離不定詞ー

分離不定詞:To不定詞で、toと動詞の間に副詞を入れること 正式な文書において分離不定詞は通常禁止されているが、NASAでは曖昧さを避けるために分離不定詞の使用を認めている。 [bad] He agreed immediately to recalibrate the surface pressure instrumen…

Global English 09 ー不明瞭な「have + 過去分詞 + 名詞句」ー

「have + 過去分詞 + 名詞句」とくると、「完了形+目的語」なのか「過去分詞で修飾された名詞句を持っている(haveしている)」のかが分からない。 [bad] Each column has assigned attributes such as name, type, and length. 解釈1:各列は、名前・型・…

NASAのテクニカルライティング 07 ー数と測定単位で修飾しないー

「3度の迎え角」と言いたい時 [bad] 3-degree angle of attack [good] angle of attack of 3 degree 「高度15 000フィート」と言いたい時 [bad] 15 000-ft altitude [good] altitude of 15 000 ft.

NASAのテクニカルライティング 06 ー複合修飾語はなるべく避けるー

複数の名詞・形容詞を連ねた名詞句は、日本語でも英語でも分かりづらい。ハイフンをつけることで、意味の塊を明確にすることができる場合があるが、まずすべきことは複合修飾語を前置詞句に変更することである。 [bad] the annular suspension and pointing …

ノーベル賞・ジェンダー・科学者・ムスリム

BBCの2021年10月12日の記事に、『ノーベル賞に「ジェンダーや民族の割り当て作らない」=スウェーデン王立科学アカデミー』というタイトルの記事が載っていた。2021年のノーベル賞の女性受賞者が、平和賞のマリア・レッサ氏のみだった。ノーベル賞受賞者には…

NASAのテクニカルライティング 05 ー冠詞と等位形容詞ー

「大きくて赤い橋」は、冠詞は無視すると"big and red bridge"となる。このbigとredは等位形容詞と呼ばれる。今回は、この等位形容詞に対して、どのように冠詞を付けるかという話。 等位形容詞が同じものを修飾している場合 冒頭のbigとredは、同一の橋につ…

Global English 08 ーあいまいなappear to doー

appearには「見えるようになる(視認できるようになる)」という意味があるが、appear to doはseem to doという解釈もできるので、文意が不明瞭になりえる。そこで、「視認できるようになる」という意味で使う時は、appearのあとにto doは持ってこないように…

Global English 07 ーあいまいなrequire to doー

'require to do'は得てして不明瞭になりやすいので、基本使わないようにするのがよい。 例えば、次の文を見てみよう。 Two technicians are required to perform maintenance of fuser assemblies. 【解釈1】何人か技術者がいて、そのうちの二人がメンテナ…

Global English 06 ーあいまいなbased onー

'based on'を修飾語として使う場合は、意味が曖昧になるので要注意。 副詞句として使っている場合 'based on'を副詞句として使う場合、得てして意味不明となる。 [bad]The intersection was built and designed based on all the required standards. これは…

NASAのテクニカルライティング 04ー集合的主語ー

集合的主語は、そのグループが一つの単位であると考えられる場合は単数として扱われ、そのグループの構成が個々であると考えられる場合は複数形として扱われる。 Langley's research staff is well-known for its achievements in aeronautics. 主語の「ラン…

NASAのテクニカルライティング 03 ー時制の一致ー

主動詞が現在形(あるいは未来形)である場合 主動詞が現在形(あるいは未来形)である場合、従属動詞はいずれの時制もとれる。 The data indicate that lift increases with angle of attack up to 35 degrees. (従属節は解説) The data indicate that th…

NASAのテクニカルライティング 02 ー時制ー

論文・レポートにおける動詞の時制は、Buehlerらによる「論説の4要素」から理解できる。 解説(物事がどのようにして、なぜ起こるかを説明する)→現在形 叙述(何が起こったかを述べる)→過去形 描写(図表によりイメージを与える)→現在形 論拠(理由を挙げ…

NASAのテクニカルライティング 01

NASAが技術文書の作成・編集のためのハンドブックを1998年に公開している。"Grammar, Punctuation, and Capitalization: A Handbook for Technical Writers and Editers"というタイトルでここからダウンロードできる。ちなみに、この図書の文書番号はNASA SP…