NASAのテクニカルライティング 02 ー時制ー

論文・レポートにおける動詞の時制は、Buehlerらによる「論説の4要素」から理解できる。

  1. 解説(物事がどのようにして、なぜ起こるかを説明する)→現在形
  2. 叙述(何が起こったかを述べる)→過去形
  3. 描写(図表によりイメージを与える)→現在形
  4. 論拠(理由を挙げることによって納得させる)→現在形

この4要素で考えると、論文・レポートによく出てくる以下の要素についての時制の指針が得られる。

  • サマリー(概要)は通常過去形で書く(叙述に相当)
  • 過去の研究(例えば参照文献にある)は通常過去形で書く(叙述に相当)
  • 恒久施設は現在形で書く(解説に相当)
  • 特定の研究のための実験手順および装置は通常過去形で書く(叙述に相当)
  • 図表に示された結果は現在形で書き、研究した試験品、資料等の挙動は過去形で書く(描写、叙述に相当)
  • 結果の理由は現在形で書く(論拠に相当)
  • Conclusionでは、結論そのものを除いて通常過去形で書く。導き出された結論そのものは、「一般真理」であるので現在形で書く(解説に相当)
  • Abstractは通常現在形で書く。(解説に相当)