英語の語尾長音符号
語尾の長音符号(ー)について何が正式かということに対する答えは存在しない。というのも、JIS表記で定めた規定と国語審議会の基本方針で異なるし、どちらも慣用に従うとあるから。
JIS Z8301:2008 附属書G.6.2.2
英語の語尾に対応する長音符号の扱いは、通常、次による。
英語の語末の-er, -or, -arなどは、ア列の長音とし、長音符号を用いて表すものに当たるとみなす。
a) 専門分野の用語の表記による。
- [注記] 学術用語においては、言語(特に英語)のつづりの終わりの-ero, -or, -arなどをカナ書きにする場合に、長音符号を付けるか、付けないかについて厳格に一定にすることは困難であると認め、各用語集の表記をそれぞれの専門分野の標準とするが、長音符号は、用いても略しても誤りでないことにしている。
b) 規格の用語及び学術用語にない用語の語尾に付ける長音符号は、表G.3による。
原則 | 例 |
---|---|
a) その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。 | エレベータ(elevator) |
b) その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。 | カー(car)、カバー(caver) |
c) 複合の語は、それぞれの成分後について、上記a)又はb)を適用する。 | モータカー(motor car) |
d) 上記a)~c)による場合で、長音符号を書き表す音(例1)、はねる音(例2)、及びつまる音(例3)は、それぞれ1音と認め、よう(拗)音(例4)は1音と認めない | 1 テーバ(taper)、2 ダンパ(damper)、3 ニッパ(nipper)、4 シャワー(shower) |
ちなみに、JISの閲覧JISCで可能。ダウンロード及び印刷はできない。
内閣告示第二号のカタカナ表記のあり方
日本では表記の方針を定める国語審議会というものがあるらしい。 1991年6月28日に出された 内閣告示第二号のカタカナ表記のあり方では、語尾の長音符号は付けるように書かれている。
- 3 長音は,原則として長音符号「ー」を用いて書く。
- 〔例〕 エネルギー、オーバーコート、グループ、ゲーム、ショー、テーブル、パーティー、ウェールズ(地)、ポーランド(地)、ローマ(地)、ゲーテ(人)、ニュートン(人)
- 注1 長音符号の代わりに母音字を添えて書く慣用もある。
- 〔例〕 バレエ(舞踊)、ミイラ
- 注2 「エー」「オー」と書かず,「エイ」「オウ」と書くような慣用のある場合は,それによる。
- 〔例〕 エイト、ペイント、レイアウト、スペイン(地)、ケインズ(人)、サラダボウル、ボウリング(球技)
- 注3 英語の語末の‐er, ‐or, ‐arなどに当たるものは,原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。
- 〔例〕 エレベーター、ギター、コンピューター、マフラー、エレベータ、コンピュータ、スリッパ