英訳できる受け身とできない受け身
直接受け身
- 私の妻が殺された。
簡単に英訳できる。
間接受け身
- 私は、妻に子供の親権を取られた。
- 私は、同僚に妻を寝取られた。
これらの例文は対応する能動態がないため、間接受け身と呼ばれる。例えば一つ目の例文は「妻が子供の親権をとった」という能動態にできると思うかもしれないが、元の文の「私は」に対応する語句が消えてしまっているので、対応する能動態とはなっていない。この文には、単に「相手方が親権を持っている」という意味だけではなく、「話者がそういう状況に置かれた」ということに力点が置かれている。さらには、間接受け身には「話者がそう行った状況に置かれて迷惑している・悲しい」という感情的なニュアンスを含む時が多々ある。こういう文は英訳できないので、ニュアンスを汲んで意訳する必要がある。
自動詞の受け身
- 妻に泣かれた。
- 妻に出て行かれた。
「泣く」という動詞は目的語を取らないのに、日本語では受け身にすることができる。これも間接受け身の一種で、「話者がそういう状況に置かれた」とか「そういう状況に置かれて迷惑している・悲しい」などというニュアンスを含んでいる。