3. 一つの発想に一文を割り当てよ by カズオ・イシグロの父

次の例では、一つの発想が複数の文に割り当てられている。

試料図形と標準図形との比較において、試料図形のこのような領域は一つのものとして扱った方が良い。ここでは、このような関係にある図形を一つに合併して階級により表現する。この階級表現には、X階級法を用いる。図10にX階級法を用いて試料図形を処理したものを示す。

各文が短く読みやすい長さだが、文章全体としてのまとまりが悪い。本来は一つの発想が「AはB」「BはC」「CはD」というように、分けて記述されているのがまとまりの悪さを生んでいる。そこで、石黒鎮雄が改めると次のようになる。

試料図形を標準図形と比較する場合、試料図形中のこのような領域は一まとめにして、ある階級で表現した方が良い。図10は試料をX階級法で処理した例を示す。

次の例も、一つの発想が複数の文に割り当てられている。

実用のプログラムでは特定部門の文献の検索が簡単に行えるように工夫している。それは、特定部門の情報の中に登録された文献名については、同じグループの分類項目から提案の計算句法を行うものである。これにより、すべての情報の検索を行わなくてもよく、素早い検索が行える。

各文はほどよい長さである。それが明快な感じを与えないのは、一つの発想が3分割され、語句が重複されているからである。そこで、石黒鎮雄が改めると次のようになる。

実用のプログラムは、提案の検索法を同じグループの文献に適用しているので、特定部門ごとに検索が行われ、その速度が速い。

日本語は「〜して、〜だが、〜なので、〜となった。」といった具合に簡単に文をつないで長くできてしまう。だから、文章の書き方に関する本には、よく「長い文章を短くせよ」と書いてある。とはいえ、上述のように文を短くして、一つの発想が複数の文にまたがると文章全体として分かりにくくなるので注意が必要だ